ナローポルシェのオールペンと同時に、リアフェンダーをRSルックからノーマルフェンダーに戻しました。

入庫した状態です。錆が浮いてボディーもかなり痛んでいます。。
各パーツをバラシながら状態の確認、作業予定を決めていきます。
画像が分かりにくいと思いますが、フェンダーをカットする位置を
決めていきます。(マスキングテープを貼ってあります)
フェンダーをカットしました。むやみやたらにカットしている訳では無く
きちんと計算の上、位置を決めてカットしています。今回は、ノーマルに
戻す作業ですが、RSルックにする際に、良くあるのが、位置決めが
中途半端で、出来上がってみると左右のフェンダーの高さが違う事が
よくあります。なので、この位置決めは結構重要です。
ノーマルのフェンダーも同様にカットし、繋げた状態です。こうやって見ると
すんなりいけそうな気がしますが、ボディー自体にかなりパテが入っていて
ラインはデタラメです(T_T)
余りにもパテが厚く入っている為、そのままでは手も足も出ない状態です。
とりあえず、全剥離剥離して一から面を出していきます。
(この面出しが何しろ大変で、泣きが入りました(T_T)

ちなみに黒くなっているのはエポキシ系のコーティング剤です。
剥離した鉄板は直ぐに酸化してきますので、後々パテを入れながら
剥がすのですが、それまでにどんどん錆が進行しますのでとりあえずコーティングします。
面出し作業です。何しろこの面出しはかなり大変でした。
ポルシェのフェンダーはものすごくきれいなラインですが、それだけに
面を出すのも本当に大変です。
今回、他にも大変だった事があります。それは元々塗られている
塗料がラッカーという事です。今は全てウレタンなのですが、
ラッカー系とは非常に相性が悪く、そのままではサフェーサーすら
まともに塗れません。ラッカーをコーティングする溶剤もある
ようなのですが、今一で、使ってません。なので剥離が必要になって
くるのですが、ラッカーはペーパー等で剥がしても、クレヨンみたいに
固まりになって、非常にやっかいです。かなり地道な作業が続きました。
サフェーサーが入りました。ちなみに、今回、、サフェーサーは2度打ちしました。
微妙すぎてパテを入れるまでいかない歪はサフェーサーを
入れて出していきます。

ボディー下部やトランク内、エンジンルーム、タイヤハウスには
ウレタンコーティングをします。(グレーの部分がそうです)
これは硬化するとゴム状になってチッピングの効果があり、錆びからも守ってくれます。
こんな感じで、見えなくなる部分もきちんといれます。
先に表以外の部分に色を入れていきます。
今回、ボディーは下色を入れました。というのも、黄色は非常に隠蔽力が
弱く、かなり塗り込む必要があります。そうすると、ベースの色がクリアーを
吸い込んだりするという問題が起きたりします。それと、もう一つは、
面の再確認の意味もあります。
非常に手間はかかりますが、こうやって一工程毎きちんと行なわないと
仕上がりは最悪になってしまいます。

フェンダーやボンネットもきちんと下色を入れていきます。
いよいよ本塗り開始です。
ボディーの本塗りが完了しました。
ボディー以外部分もどんどん色を入れていきます。本当は、全て同時に
塗れればいいのですが、ブースに入らない為、どうしても分けて塗る必要が
あります。色ブレの心配がありますが、ブース内の温度、塗り肌など
出来る限り同条件で塗るように心がけています。
ウインドウも入り、フェンダーやボンネットを組付けていきます。
毎度の事ですが、塗った後の組付けが一番神経を使います。
完成後、記念撮影です。
ちなみに右のライトが割れてますが、これは仮です(^^)
もう一枚パチリです。いつも思いますが、この瞬間はそれまでの
苦労は飛び去っています(^^)
30年以上前のクルマですが、手を入れてあげる事によって
見違えるようになります。
ポルシェのリアフェンダーは年代を問わず本当に綺麗なラインです。



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